罪と正義の狭間で
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第1幕
僕は普通の会社員として働いていた。毎日同じようなことの繰り返しで、退屈な日々を過ごしていた。しかし、ある日、同僚の美咲から奇妙な誘いを受けた。
「本当の金儲けの世界を教えてあげよう」
美咲は夜の街に僕を連れて行った。そこは違法なカジノやソープランド、偽広告の世界だった。最初は戸惑いを隠せなかったが、次第にその世界の魅力に取り憑かれていった。金と欲望が渦巻く、常軌を逸した世界に。
美咲に連れられ、僕はその裏社会のボス・龍二と出会った。龍二は僕の潜在能力を見抜き、自分の手下に誘った。最初は断ろうとしたが、龍二から金と欲望の世界を教え込まれるうちに、次第にその世界に魅了されていった。
龍二の手下となった僕は、違法な仕事に手を染め始めた。賭博場の運営や、偽広告での詐欺、風俗店の経営など、どんどん犯罪の世界に足を踏み入れていった。最初は戸惑いを隠せなかったが、次第に金と欲望に魅了され、正義感を失っていった。
第2幕
ある日、龍二から大きな賄賂を受け取る仕事を任された。相手は政治家で、巨額の金を要求していた。最初は躊躇したが、龍二の脅しに怯え、やむなくその仕事を引き受けた。政治家の秘書に偽装した僕は、賄賂の金を手渡した。しかし、その場面を目撃した者がいた。裏切り者の存在を知った僕は、龍二に報告した。龍二は激怒し、裏切り者の始末を命じた。僕は躊躇したが、龍二の脅しに怯え、やむなく裏切り者を殺害してしまった。その時の裏切り者の絶望的な叫び声が、今でも耳に焼き付いている。僕は深い罪悪感に苛まれ、自らの行いに嫌悪を覚えるようになった。しかし、龍二の組織から抜け出すことはできなかった。僕は次第に正気を失いかけていった。
第3幕
裏切り者を殺した後、私は深い後悔と罪悪感に苛まれるようになった。美咲に助けを求めたが、美咲こそが龍二の手先だと知り、裏切られていたことが分かった。私は龍二の組織から抜け出そうとしたが、龍二に捕まってしまった。
龍二に拷問され、私は半狂乱になりながらも、最後の力を振り絞って逃げ延びた。しかし、逃げ場はどこにもなかった。そこに現れたのは、かつて私が殺した裏切り者の亡霊だった。亡霊は私を責め立て、私は絶望的な叫びを上げた。そして、突如として私の意識は遥か昔の記憶へと遡った。
幼い頃の私は、両親の虐待に耐えながらも、心の中で正義の心を育んでいた。しかし、大人になるにつれ、金と欲望に心を蝕まれ、正義を見失っていった。今の私は、かつての自分を裏切り、最も嫌っていた存在になってしまっていた。亡霊の責め立てに打ちのめされながら、私は自らの罪を悔い改めた。
やがて、私の意識は現実に戻った。龍二の手下たちが私を取り囲んでいた。しかし、私は新たな決意を胸に、龍二に立ち向かった。龍二との壮絶な戦いの末、私は龍二を倒し、その組織を壊滅させた。美咲は私の手で斃れた。私は重傷を負いながらも、ようやく自由を手に入れた。しかし、私の心に残る罪の意識は、決して消えることはなかった。